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国公立大入試の仕組み

大学入試制度は複雑なため、保護者の方にとって分かりにくいと感じることが多くあるかと思います。ここでは、国公立大学の入試の仕組みについてご紹介します。

前期

国公立大の一般入試は、一次試験的役割を果たす「センター試験」の得点と、大学別に実施される「個別学力検査(二次試験)」の得点の合計で合否の判定が行われます。

<表1>2016年度 国公立大一般入試スケジュール

国公立大一般入試スケジュール

センター試験は、「共通一次試験」に代わって1990年度から実施されている試験です。毎年1月中旬の土・日に全国で一斉に実施され、国公立大志願者は原則受験する必要があります。試験翌日には、新聞等で解答・配点が公表されますので、自己採点を行った後、志望する大学に願書を提出します。

個別学力検査はセンター試験の約1ヵ月後の2月下旬から「分離・分割方式」という制度で実施されます。「分離・分割方式」とは1大学・学部(学科)の定員を「前期日程」「後期日程」の2つの日程に振り分け、それぞれの日程ごとに選抜するシステムです。一つの大学・学部(学科)を2回受験することもできますし、それぞれの日程で異なる大学を受けることも可能です。

また、一部公立大で前期・後期日程とは別に「中期日程」で個別学力検査を実施する大学もあります。これらをあわせると最大3校の国公立大を受験することが可能となります。

ただし、前期日程で受験した大学に合格して入学手続きをすると、中期・後期日程に出願した大学の合格対象からは外されます。そのため、第1志望校は前期日程で受験するのが一般的です。定員配分も前期日程が8割近くを占めており、「分離・分割方式」は複数受験できるとはいえ、実質的には前期日程中心で後期日程は2期募集的な意味合いが強いと言えます。

また、国立大学協会はAO入試や推薦入試の募集人員に振り替えることを条件に、後期日程の募集枠を廃止することを認めています。旧帝大や医学科を中心に前期日程のみで募集を行う国公立大も多いので、志望する大学の入試日程にも気を配っておきましょう。

センター試験は5(6)教科の受験が必要

センター試験・二次試験で必要となる教科・科目は大学ごとに異なります。さらに、大学内でも学部・学科によって、また前期日程と後期日程で異なるケースがほとんどです。

センター試験は6教科30科目が出題されます<表2>。試験時間・配点は英語・国語が80分で200点、数学・理科*・地歴・公民は1科目60分で100点です(*ただし、理科①は60分で2科目・計100点を選択解答するため、表では2科目セットで1科目扱いの表記をしています)。3教科以下で出願が可能な大学もありますが、基本的に5教科以上を課しているのが現状です。

特に国立大については、国立大学協会から入学者に最低限の基礎学力確保を求めるべく「国立大一般入試はセンター試験で5(6)教科7科目を課すべき」という見解が示されています。2015年度入試では国立82大学中78大学で5(6)教科7科目が課されました。国立大志望者は、5(6)教科7科目の勉強が必要と考えた方がよいでしょう。

また、外国語で英語を選択する受験者にはリスニングが必須となっています。リスニングの点数を合否判定に用いるかどうかは各大学の判断に委ねられていますが、97%の国公立大がリスニングの成績を利用しています。国公立大をめざすのであればリスニングの対策も必要です。

5(6)教科7科目

7科目の内訳は大学に委ねられていますが、文系学部では外国語・国語・理科各1科目と数学・地歴公民各2科目の合計6教科7科目、理系学部では外国語・国語・地歴公民各1科目、数学・理科各2科目の合計5教科7科目とする大学が多数です。

<表2>2017年度 大学入試センター試験出題科目

教 科 出題科目 試験時間 配点
国 語 『国語』 80分 200点
地理
歴史
「世界史A」
「世界史B」
「日本史A」
「日本史B」
「地理A」
「地理B」
1科目選択 
60分
2科目選択 
130分
100点
200点
公 民 「現代社会」
「倫理」
「政治・経済」
『倫理、政治・経済』
外国語 『英語』
『ドイツ語』
『フランス語』
『中国語』
『韓国語』
【筆記】 
80分
【英語リスニング】 
60分
200点
50点
数学 「数学I」
『数学I・数学A』
60分 100点
「数学II」
『数学II・数学B』
『簿記・会計』
『情報関係基礎』
60分 100点
理科 「物理基礎」
「化学基礎」
「生物基礎」
「地学基礎」
2科目選択 
60分
100点
「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
1科目選択 
60分
2科目選択 
130分
100点
200点
  • ※地理歴史・公民は同一名称を含む科目の組み合わせ(「世界史A」と「世界史B」、『倫理、政治・経済』と「政治・経済」など)を選択することはできないはできない
  • ※地理歴史・公民、理科②において2科目選択する場合は、各科目60分で解答を行うが、両時間の間に答案回収等を行う時間を加え、試験時間は130分とする
  • ※リスニングは音声問題を用い30分間で解答を行うが、解答開始前にICプレーヤーの作動確認・音量調節を行う時間を加え、試験時間は60分とする
  • ※理科は次の4つの選択方法から1つを選択する(A:理科①から2科目 B:理科②から1科目 C:理科①から2科目および理科②から1科目 D:理科②から2科目)
  • ※大学入試センターホームページ http://www.dnc.ac.jp/

前期日程は学科試験、後期日程は小論文や面接も目立つ

個別学力検査の入試科目は日程によって多少傾向が異なります。

前期日程は、一般的には文系学部で「外国語、国語、数学、地歴・公民」から2~3教科、理系学部では「外国語、数学、理科」から2~3教科が課されますが、東京大、一橋大、名古屋大(文・理・医‐医)、京都大など一部の大学では4教科を課します(2016年度入試)。

後期日程では教科数が1~2教科と少ないケースや、総合問題、小論文や面接を課すところが目立ちます。

合否判定に用いられる配点も大学・学部によりさまざまです。注意したいのは、センター試験と個別学力検査の配点比率です。個別学力検査の成績を重視する大学や、個別学力検査を行わずセンター試験の得点と書類審査で合否判定を行う大学もあります。特定教科の配点が非常に高い大学もあります。

入試のもう1つの柱、推薦入試

一般入試と並び大学入試の柱となっているのが「推薦入試」です。国公立大の推薦入試による入学者数は全体の2割には満たないものの、9割以上の大学で実施されています。

推薦入試には大きく分けて、「指定校制」と「公募制」の2種類があります。

「指定校制」は、大学が指定した高校の生徒を対象に行われるもので、指定された高校の生徒でなければ受験できません。
公募制に比べると成績基準などの出願条件は厳しくなりますが、合格率が高いことが特徴です。

「公募制」は、大学の出願条件をクリアしていれば基本的には誰でも出願できます。出願条件の主なものは学業成績(評定平均値)と卒業年次ですが、ほかに細かい条件をつける大学もあります。
国公立大と私立大とではその出願条件に違いが見られます。国公立大は学業成績の条件が厳しくなっていますが、一方で私立大は比較的出願条件が緩やかです。

また、推薦入試においても入試の多様化は広がり、さまざまな推薦選抜が実施されています。学業成績だけではなく、高校時代の部活動、芸術・文化活動、ボランティア活動などを評価の対象とした「特別推薦」や、受験生自身が自ら能力・意欲・特技をアピールして評価してもらう「自己推薦」があります。

なお、近年国公立大の医学科で地域推薦枠を設ける大学が増えています。県内在住者・高校卒業者などが対象で、卒業後県内の地域医療、医学研究に従事することが出願要件になっています。医師不足に悩む地方の大学を中心に導入されています。

AO入試

AO(アドミッション・オフィス)入試は学力だけではなく、受験生の大学・学部への適性や特技、資格、学習意欲などを総合的に評価する入試システムです。国公立・私立全体の約7割の大学で実施されています。

学科試験を課す大学は少なく、書類審査や面接(面談)に時間をかけて審査・選考されます。そのためAO入試では、受験生の自主性・やる気が評価のポイントになります。
「自分はこれに優れている」「こういう動機があるから、この大学で学びたい」など、受験生が自らを売り込む姿勢が必要です。

出願・選抜方法は大学によりますが、私立大の場合、必要書類を提出した後、セミナーの受講やレポートの作成、面接、小論文により選抜が行われることが多いようです。

出願時期は9月から12月に設定されている大学が多くなっていますが、夏休みのオープンキャンパスで事前に面談等を行う大学もあります。
募集要項を早めに取り寄せて確認しておきましょう。

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