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京大生が選ぶ感動した一問
第3回
コーシー・シュワルツの不等式

問題と解答例

問題

解答例1

解答例2

感動した理由

今回は高校3年生のときに高校の授業で扱った問題から紹介したいと思います。

この一問はコーシー・シュワルツの不等式を使えば、複雑な変形なしに一瞬でさらっと解ける感動的な問題なのですが、皮肉なことに問題集では「微分法の応用」の項に収録されていました。授業では<解答2>のような自由な発想力を要する感動的な解法に出会えたので、楽しみながら解けたと記憶しています。

ところで、皆さんはコーシー・シュワルツの証明をご存じでしょうか。なかなかこちらも感動的です。

3次までなら、ベクトルで証明できます。内積を考えるのですが、

と置きます。内積を考え、

 なので、

これで完成です。等号成立に関してもcosθ = 1 つまりは θ = 0のときで、2個のベクトルの向きが一緒なので、

 のとき、と直感的にも理解できます。

また、n 次の証明は狐につままれたようになるので、さらにおもしろいと思います。
(※ 高校生のうちはn 次元ベクトルで考えることはしない方が無難です。)

は常に成り立ちます。展開して

これをk = 1からn まで足し合わせて

ここで、この左辺をtに関する2次関数とみると常に0以上なので、判別式Dは0以下となります。

本当に巧妙ですが、示せているのが憎いところです。しかも、中学校で習う判別式Dが登場するのも、なかなかうまいと思いました。コーシー・シュワルツの不等式にはベクトルや判別式、微分など多分野が関わっているのです。

さて、そもそも「不等式はもう習いました!」という人は多いと思いますが、そのときに腑に落ちた感じを味わえたでしょうか。

今回であれば、式①と式②を見た瞬間にコーシー・シュワルツの形が思いつける人は、実によい勉強をしていると思います。この問題のように、微分の最大・最小問題と不等式の相性の良さを知っておくと、他の場面でも感動が味わえると思います。

たとえば、

とあれば微分する人もいると思いますが、相加相乗を用いてすぐに最小値2は求まりますし、

であっても、  としてしまえば、同じく4次の相加相乗で一発で求まりますよね。

こういう感じで不等式を使う方法は、私自身はあまり教科書で見たことがなかったので、初めて知ったときには素直に感動しました。それにこのような解き方をしていると、頭が良くなったような気分が味わえます。

やはり、本質に切り込む力と異なる分野を融合させる力に、私たちはeleganceを感じるのでしょう。私が感動した感覚を追体験していただければ幸いです。

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