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京大生が選ぶ感動した一問
第2回 京都大学
1999年 数学(理系)・後期

問題と解答例

問題

解答例1

感動した理由

この問題に初めて出会ったとき「これはどういう風にして評価しようかなぁ」と、式をいじくりまわした記憶があります。初見ではどの方針が正しい方向で、どの方向がダメな方向かがよく分からなかったので、非常に悩みました。

実際、<解答例1>の教科書的な解答では、「三角関数をなんとか変形して、精一杯もがきつつ解いている」という印象を受けて、あまり好きにはなれませんでした。しかし、<解答2>を見た瞬間にもやもやした思いは一瞬で感動に変わりました。

以下、<解答例2>について述べたいと思います。

解答例2

最初に下準備として、相加相乗平均の大小関係として

……… ①
が得られます。

問題文の条件から、0  としてOKですよね。
ですから、  上にとり、三角形ABCを描くことができます。


ここで、重心G  は三角形ABCの内部に存在することになります。


ですので、重心Gは  でサイン・カーブ  よりも下に存在しています。


よって、上の図で点Xより点Gは下にありますよね。ですから、  座標を比較して


が鮮やかに導かれます。今回、問題文の条件より  を代入して

……… ②
最後に①と②をドッキングして


どちらの等号に関しても、等号成立は  のとき。

これで解けました! 最初にある程度予想されたかもしれませんが、最大値は全部一緒のときにとります。
爽快ですよね。

<解答例1>では積→和の公式やら微分やらなにやらいろいろ使用していて、いかにも力技といった手法だったのが、よどみなく理論が展開し、視覚的ですっきりと示されている解答だと思います。
これを知ったときには「この手の問題の根源には、  の凸性があるんだ!」と得意顔で納得した覚えがあります。

第1回でも触れましたが、賢い人は想像もしない分野の架け橋を知っているのだと思います。今回の問題で言えば、幾何、三角関数、グラフの凸性、不等式といったところでしょうか。
一応確認ですが、  を2回微分して、2次導関数にすると- となり、これは0  において「負」です。したがって、  は0  において「上に凸である」ことがわかります。

ちなみに、相加相乗平均の大小関係を証明する場合もこの関数の凸性が役に立ちます。凸性を用いるべき関数は  です。
詳しい証明や厳密な議論は、高校や塾の数学の先生に尋ねてみましょう。

このような根本的な事実を知ったうえで学問を考えていくと、本質に切り込むことができ、深く考え理解するきっかけになると思います。本質を知っているという優越感も味わえます。

類似問題

同じように「三角関数の凸性」+「相加相乗平均の大小関係」を用いるとすっきり解ける問題は、京都大学1991年 数学(理系)・前期 4 と京都大学2002年 数学(理系)・前期 2 で出題されています。京大受験を検討されているみなさんはぜひチャレンジしてみてください!

類似問題1 京都大学1991年 数学(理系)・前期 4

類似問題1 京都大学2002年 数学(理系)・前期 4

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